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  • 2025.08.06

「社内承継を選んでよかった。」スムーズな実行には、後継者育成や制度設計の支援が求められる〜承継に3年以上かかった企業が3割超。想定以上に時間を要したケースも〜

【調査結果 概要】

・社内承継経験者の5割が満足していると回答

・社内承継を選択した理由は「事業の連続性を保持」「承継したい人材の存在」など

・3年以上かかった企業が3割超。想定以上に時間を要したケースも

・承継前に立ちはだかる壁は「後継者の選定」や「育成期間の確保」

・承継後の課題は「責任範囲の明確化」と「組織運営」が上位に

・求められる支援は「後継者育成」や「株式譲渡設計」など多岐に渡る

・不安のトップは「株式取得の資金負担」、切り出しづらさや関係性への懸念も

【調査結果 詳細】

◼️社内承継経験者の5割が満足していると回答

社内承継の満足度を尋ねたところ、50.0%が満足だと回答しました。「やや不満」「とても不満」は合わせて12.0%にとどまり、全体として満足度の高い傾向が見られました(n=100)。

<満足している理由(一部抜粋)>

・業績も好調で、社員からの評判も良いから。

・かつての問題点をうまく改善したうえで、スムーズな継承がされたから。

・2年間一緒に働いて性格や仕事ぶりを確認していたから。

<不満がある理由(一部抜粋)>

・先行きが不安な中での選定だったから。

・相談をしてこないから。


◼️社内承継を選択した理由は「事業の連続性を保持」「承継したい人材の存在」など

社内承継を選択した理由については、「事業の連続性・安定性を保つため」が34.0%で最も多く、「社内に承継したい人材がいたため」が33.0%と僅差で続きました。社内カルチャーの維持や、取引先への安心感といった社内・社外の信頼構築も重要視されていることがうかがえます。

一方、「あてはまるものはない」が29.0%にのぼったことから、必ずしも前向きな理由だけでなく、他の選択肢よりは現実的な解として社内承継が選ばれたケースもあることが推察されます。(n=100)。

◼️社内承継、「3年以上かかった」企業が3割超

承継にかかった期間を尋ねたところ、「3年以上」と回答した企業が36.0%で最多となり、想定よりも長期化したケースが多いことがわかりました。一方で、「1年未満」で完了した企業も28.0%存在し、準備状況や体制により差が出ていると考えられます(n=100)。

◼️承継前に立ちはだかる壁は「後継者の選定」や「育成期間の確保」

承継前に苦労したことを尋ねたところ、「後継者の選定」が54.2%、「育成・準備期間の確保」が40.3%と上位に挙がりました。そのほか、「株式取得資金の確保」「役割の移行」「買収資金確保の交渉」なども2割前後となっており、計画性や外部調整の重要性が浮き彫りになっています(n=72/社内承継前に苦労があった方)。

<社内承継前後の困難(一部抜粋)>

・継承条件を決めるのに苦労した。

・後継者の資金調達において個人保証の必要性を納得させること。

・承継する社員の心積もり、承諾までの条件準備(個人保証の撤廃)。

・承継者の決断に時間がかかった。

・候補者が数人いて、決めるまでに時間がかかってしまった。

◼️承継後の課題は「責任範囲の明確化」と「組織運営」が上位に

社内承継後に生じた課題では、「意思決定の責任範囲の明確化」が41.9%で最も多く、「組織運営(経営企画・財務など)」が37.1%、「旧経営陣との役割分担」が30.6%と続きました(n=62/社内承継後に課題があった方)。

◼️求められる支援は「後継者育成」や「株式譲渡設計」など多岐に渡る

よりスムーズに承継を進めるために必要だったサポートについて尋ねたところ、「後継者の育成支援」が58.6%と突出しており、「株式譲渡の仕組み設計支援」「経営者・後継者間のコミュニケーション支援」がともに36.2%と続きました(n=58/社内承継にサポートが必要だと思う方)。

◼️不安のトップは「株式取得の資金負担」、切り出しづらさや関係性への懸念も

社内承継時の不安については、「株式取得への資金負担」が38.1%で最多。「承継を切り出す心理的ハードル」「人間関係の変化への懸念」も3割前後を占め、意思決定以前の段階で感じる負担の大きさが明らかになりました(n=63/社内承継で不安や迷いがあった方)。

◼️オーナーズ株式会社 代表取締役社長 作田 隆吉 コメント

今回の調査から、社内承継が「信頼関係に基づくバトンパス」として、一定の満足感をもたらす一方で、そのプロセスには多面的な課題が潜んでいることが明らかになりました。

特に、株式取得の資金確保や責任範囲の明確化といった制度設計に関する負担は、オーナー・後継者双方にとって大きく、承継後のガバナンス構築にも影響を及ぼすことが示唆されています。さらに、承継を切り出す際の心理的ハードルや、関係者との調整負荷など、感情面・対人面の難しさも見逃せません。

社内承継の価値を最大化するには、育成や資本移動を含むプロセスを中長期で捉え、制度設計から実行フェーズまでを横断的に支える外部知見の活用が不可欠です。今後は、企業の個別事情に寄り添いながら、継続的に伴走する支援体制の整備が一層求められていくでしょう。

【調査概要】

調査名称:社内承継の実体験に関する調査

調査機関:Fastask

調査対象:社内承継を実際に行った旧オーナー(譲渡側)

調査方法:Webアンケート

調査期間:2025年7月25日〜7月29日

有効回答数:100件

※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります

◼️調査結果の引用時のお願い

※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記および以下のサイトのリンク掲載をお願いします。

https://risonal.com

例:「オーナーズの調査によると」「オーナーズ調べ」など

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